ロボットカフェ体験記

研修のため上京した、静岡障害者自立生活センターのメンバー4人は、巷で評判になっている、あの噂のロボットカフェへ行ってきました。

場所は日本橋。

お店の名前は、「分身ロボットカフェ DAWN」。

お店の門をくぐると、いきなり受付のロボットが話しかけてきた。

「こんにちは!」

「あっ、ここっ、こんにちは」

相手がロボットだったので思わずドギマギしてしまった。

「こちらのお席へどうぞ」

私たちがさっそく案内されたテーブルに座ると、今度は、床の上を走行する大き目のロボットがゆっくり近づいてきた。

「ご注文はお決まりでしょうか?」

パッと見は、たしかに某ファミレスで最近よく見かける配膳ロボットに似ている。

でも、某ファミレスのものと決定的に違うのは、こちらのロボットは、重度障害者が自宅で遠隔操作している点だ。

私たちのテーブルにやってきたロボットの胸には、操作者の写真入りの名札が貼ってあった。

車椅子に乗って微笑んでいる若い女性のAさんだ。

こちらも某ファミレスロボットと違う点なのだが、何とその場でリアルタイムに、ロボットと普通に会話が楽しめちゃうのだ。

「え~っと、Aさんはどちらにお住まいなんですか?」

「神奈川県の〇〇市です。今、私は、自分の部屋のパソコンからこのロボットを操作しています。」

「へ~え!」(思わず感心)

「Aさんは、一日何時間、週何日ぐらい働いているんですか?」

「週に3日、10時~15時まで5時間働いています」

…ってな具合だ。

ここで奥村が思い切って聞いてみた

「たいへん失礼な質問かも知れませんが、Aさんはどんな障害をお持ちなんですか?」

ロボットは、そんなぶしつけな質問にもごくフツーに答えてくれた

「私は〇〇という先天性の難病で、普段は車いすに乗って生活しています。」

すると、同行の小久江理事長が、調子に乗ってさらにツッコミを入れた。

「Aさんともっと個人的にお近づきになって、色々話をしてみたいんでけど可能ですかねぇ~」

するとロボットはさらりとかわすように、

「すみません、お客様とはカフェ以外では個人的に会ってはいけない決まりになっているんですよ…」

(オイオイ、ここでロボットをナンパしてどうするんだ!)

我々は、めいめいに好みのドリンクを注文した。

ドリンクが運ばれてくるまでの間は、別のテーブルにある「ロボット操作体験コーナー」で楽しむことができる。

こちらにはテーブル上に上半身だけの小さなロボットちゃんがいて、操作体験用ロボットの操作法について、あれこれ説明をしてくれる。

こちらは、なんと奈良県にお住いの方が遠隔で操作していた。

一方我々のドリンクを運んできたのは、都内在住の筋ジス(進行性筋ジストロフィー)の男性が操作するロボットだった。

カフェ内には、我々のほかにも十名ほどの客がいて、中には外国人も複数いたりして、なかなか盛況なご様子。

平日の午後でこんなカンジなので、おそらく週末はかなり混雑してるんだろうな…。

そしたら、外国人の座るテーブルにいたロボットが英語で会話する声が聞こえて来た。

「すげぇ~英語が話せる操作者もいるんだぁ~」

私たちは、オドロキやら感心の連続で、ロボットに肝心の時間給について聞くことを忘れてしまった。

IOT(情報コミュニケーション技術)の発達によって、このようなロボットが将来どんどん普及し、外出が困難な重度障害者でも、在宅でこんな風にロボットを遠隔操作して、人々とコミュニケーションを楽しみながら働くことができる社会が早く日本中に広がるといいですね。

皆さんも、東京へ行った際には、ぜひ、このロボットカフェを体験してみて下さい。

〈インフォメーション〉

「分身ロボットカフェ DAWN」(東京都日本橋)は、オリィ研究所が運営する、重度障害のある人たちがOrihime(おりひめ)というロボットを遠隔操作してサービスを提供している常設実験カフェ。

ロボットと会話を楽しんだり操作体験ができるコーナーは、大人一人1500円の入場料(ワンドリンク付き)を支払って入るほか、普通のカフェ席もある。店内はもちろんバリアフリーで、車いすのまま入れるトイレ(オストメイト・介助ベッド附設)が複数ある。

一方、ロボットを自宅で遠隔操作する人(障害者)は「パイロット」と呼ばれ、現在全国に約60名いる。

コメントを残す

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です